昨日13日にアマ名人戦岡山県予選が行われました。6月中に県内9地区で予選があり、その予選を突破した88名に昨年のベスト8を加えた計96名のトーナメントの上位2人が代表となります。組み合わせ表が掲載された10日の山陽新聞記事では、菅井五段が「岡山は強豪が多く,毎年のように代表が入れ替わる戦国時代」と評していましたが、予想は半ば的中し、有力強豪の早期敗退もけっこうありました。代表の座は長谷川大地さん(総社)と溝上裕亮さん(岡山)が獲得しました。お二人とも最近岡山に来られたばかりの方です。県名人を決めるべく、長谷川-溝上の決勝戦が行われましたが、角換わりの将棋となり70数手の短手数で長谷川さんが勝ちました。そのほかの選手の活躍ぶりは下のトーナメント画像でご確認ください。
私(塚本)は準々決勝で長谷川さんと対局。長谷川さんは岡山県立大学1年生。静岡県出身で、静岡では中学・高校のときに計3回アマ名人戦代表となり全国大会に出場しています。40超えで昨年まぐれで県代表になった私が、10代にして県代表3回の若者に挑みました。土着の岡山県人としての意地を見せたかったのですが・・・第1図、先手が長谷川さん、後手が私。
ここで私は△2三飛と浮きました。菅井先生ならたぶんこう指すであろう(ホント?)とイメージしました。以下、▲4四銀△3四銀▲2二歩(第2図)と進行。
先手の攻めが決まったかに見える局面。しかし私はここで3手1組の好手順を用意していました。第2図以下△5四歩▲6四角△7一角(第3図)。
どうです私もなかなかやるでしょう。以下長手順進めます。▲2一歩成△4四角▲1一と△2五歩▲4六歩△5五角▲同角△同歩▲1二角△5一金左 ▲3七桂△5六歩▲同 歩△4七角▲9五歩△同歩▲9三歩△同香▲4五桂△5六角成▲9四歩△同香▲8六桂△8五銀▲9四桂△同銀▲2三角成△同 銀▲5九香△5七歩▲同香△同馬▲5九香△4六馬▲5一香成△同金▲2五飛△4五馬▲2一飛△3四角(第4図)。
第4図の△3四角があまりにもぴったりで、「この将棋勝てそう。これに勝って次も勝てば連続代表か」と喜んでしまいました。結果、勝つと思うな、思えば負けよになってしまいました。第4図以下▲5六歩△2五角?▲5一飛成△6一歩・・・まだまだ優勢のはずですが、少しずつ疑問手を積み重ねて逆転負け。トホホ・・・
終局後、ベテランの方からは「△3四角のところならワシが塚本君の方を持てば絶対勝つで。序盤が下手なんであの局面まで持っていけんけど」とか、もうボロボロでした(苦笑)。
岡山へ来たばかりの方二人が代表になったことは、土着民としては少々悔しくもありますが、実力なのでしかたありません。昨年代表の赤畠さんと私は二人とも全国大会の予選を通過し本戦トーナメントに名を連ねました。今年の代表お二人にも、本戦出場以上の活躍をすることを期待します。
塚本さんの対局の図ですが、△23飛車は好手ですね。自然は△54歩ですが、以下▲44銀△55歩▲43銀成△25歩▲33歩成△同桂▲同成銀△24飛。これもあると思いますが、本譜との比較は難しいです。
広島県西部地区アマ名人戦兼中国名人戦代表
広島県でも昨日代表が決まりました。藤高隆雄さんと田中雅典さんのベテラン同士の決勝で良くなった方が悪手を指すという二転三転の戦いの末、藤高さんがアマ名人戦と中国名人戦の2つの代表となりました。多分広島県西部のアマ名人戦では最年長の県代表ではないかと思います。
岡山県は若手強豪が2人も増えてますます県代表は難しくなりましたね。塚本さんの将棋、珍しく図面入りで投稿とはよほど悔しかったのでしょう。△3四角、▲5六歩に△2五角と飛車を取っていますが私なら△4一歩と金を守りたいかなと思いました。まあ最善ではないでしょうけれども・・・。
柿本雅之